フランスAudax 社の、赤バン・筒形アルニコ・マグネットを搭載した、大型(21.5×32.0cm)のオーバル・フルレンジ、T21-32 PA 15。当オークションでも、まず、見かけることのない希少なユニットだと思います。(私の秘蔵(?)ユニットの1つでもあります。)Audax社が本格的にアメリカに進出する以前、まだ、フランスMontreuil に拠点を置いていた時代、1950年代後半から’60年代初頭にかけての製品です。当時のAudaxのオーバル・フルレンジのフラッグ・シップ機種であり(兄弟機種のT21-32 PA 12より一回り大きなマグネットが採用され、総磁束及び磁束密度ともに2割ほど大きく、磁力が強化されています。)、フランスを代表するオーバル・フルレンジの傑作の1つと言えるでしょう。ユニット2本、当方で使用していたサブ・バッフルを付けての出品になります。2本としましたのは、製造時期の違いによるものだと思いますが、マグネットを固定するキャップの留め方や端子の形状、プリントなど、音質に関わる部分ではありませんが、少し違いがあるためです。ただ、型番の表記形式(これも製造時期により幾つかのパターンがあります。)なども揃っており、聴覚上も、差異は感じられませんので、ステレオ使用には何ら問題はないと思います。当方でも、ステレオ・ペアとして使用しておりましたが、同相信号を入れると、綺麗な点音源を結び、問題は感じられませんでした。