これは出来良し。南米アルゼンチン出身の若手中堅バカテク最先鋭が集結したビッグバンドラテンジャズオーケストラ、アサイデラオルクエスタの2018年発となる2作目。リリースはアルゼンチンの最先鋭コンテンポラリージャズ系レーベルのIndependenteから見開きデジパック装丁で限定枚数リリースされていたもの。編成は12人編成の木管と金管セクション、3人のピアノセクション、3人のヴォーカルセクション、ギター2人、ドラムス2人、エレクトリックース、2人、アコーデオン、パーカッションを含むという大掛かりな布陣。いくらビッグバンドとはいえこれだけの大編成というのは近年ではあまり例が無いうえにディレクションが大変に優れているためか音楽性に迷いが無く一点に向かって高難度の技が収斂していくような凄まじいアンサンブルが現前に。内容はこれが強烈と言うか、全曲が南米コンテンポラリージャズインストゥルメント渦中の、現代プログレッシブロックカテゴリからも注目されている部分でもある例えばエルメートパスコアル、ジュアンポッロラッフォ、ウィリーゴンザレス、カルロスアギーレなどなどからアルゼンチンプログレッシブロックに名盤を残したMIAのリーダーでピアニストのリトヴィターレの楽曲なんかまで取り上げていて、これを非常に複雑に入り組んだビッグバンドアレンジでラテンジャズロック化したような音楽性。この楽曲のセレクションからして制作者の慧眼が光り、プログレカテゴリと見事にリンクしてもいる感性からして非常に興味深いというか、エルメートパスコアルのビッグバンドアレンジ作品にも通じる内容。必聴!!! A SAIDERA ORQUESTA-sur(indepenente)