日本のプログレッシブロック系ジャズロック新世代、サイドステップスの98年発となるデビュー作。オリジナルリリースはフランスのムゼアからで、こちらはそのオリジナルCD盤。編成は6弦ベース、ドラムス、キーボード、ギターを擁する4人編成で、埼玉県戸田市にあるパークサイドスタジオにて97年に録音。内容は日本のジャズロック系といっても70年代から80年代を一区切りとすればそれら歴代のエッセンスを抜群の演奏力と咀嚼力で洗練化していて、特にプログレッシブロック的側面が非常に強く出ている部分ではシンフォニックロック的でもあって、レインダンス期以降のキャメル、KENSO、FINCHなどの要素をジャズロック寄りにしたようなテクスチャーは最もプログレ好きの琴線に触れるタイプ。演奏力も全員が過不足無く上手く、特にベーシストはフレットレスベースからスラッピングまで操るオールラウンダーで、6弦ベースの特性を生かしたフレーズではキメ細かく動いていて、アンサンブルをより立体的にしている存在感。KENSO、PRISM、FINCH、CAMELとくれば、当然キングレコードのユーロピアンロックコレクション世代のプログレ好きならある種の感慨深さを感じさせる内容。SIDE STEPS-out and out(musea)