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ロモノーソフ陶磁器工場は、1774年に華やかなロシア文化を築き上げたロマノフ王朝時代のロシア皇帝専属磁器工房として現在のサンクト・ペテルブルグに設立されたロシア最古の窯で宮殿で使用される陶磁器が製作されました。現在も継続している磁器窯としてヨーロッパで一番古いものはマイセンで、ロイヤルコペンハーゲン、ジノリに次いでロモノーソフは４番目に古い窯です。1779年にフランスのセーブル様式を踏襲し、ネオクラシック調の可憐な絵付けがメインになっています。１９１７年のロシア革命以降、この工房は国家所有となり、ソビエト時代には軍需用セラミック製品を手掛けることが多くなりましたが、その間も少数ながら製造され、海外の博覧会などで国力宣伝用として数多く出展されていました。その後1925年にロシア科学アカデミー創立200周年を記念し、工場の名称を偉大な科学者”ロモノーソフ”と改名。1931年にはモスクワの地下鉄駅構内の陶磁器による装飾を手がけました。1991年の革命以降、1993年に正式に株式会社となり日常茶器や食器などが急速に復活、かつての華麗な磁器造りが再現されています。ロモノーソフの製品が門外に流出することはまれであり、一部収集家が所有するのみでしたが、1996年以降ロシア連邦共和国の陶磁器として世界に作品紹介、輸出を開始。これまで美術館や博物館で鑑賞することしかできなかった製品が手軽に所有できるようになりました。現在では、本来の陶磁器製造に主力を注ぎ新作品も続々と発表されています。また、ロモノーソフのデザイナーや職人達もヨーロッパ各地で受賞しており、ロシア国家勲章を授与したりとめざましい活躍をしています。