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丹呉本・観音堂/会津八一/限定480部・定価32000円/山鳩ともに観音堂は先生の短歌における特別なきわめて重要な位置を占めるものである
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昭和56年 別冊1冊付属 限定480部 定価32000円 ゆうメール・レターパック規格外 部数は少なそうです。資料用にもいかがでしょうか。
会津八一【あいづやいち】
歌人，書家，美術史家。新潟の人。秋艸(しゅうそう)道人，渾斎と号す。早大英文科卒。奈良の古美術などを主題にした，総ひらがなの万葉調和歌や，独特の書で有名。早大で英文学と東洋美術の講座を担当。《法隆寺・法起寺・法輪寺建立年代の研究》，歌集《南京(なんきょう)新唱》《鹿鳴集》等多くの著作がある。
「観音堂帖」の十六首は、作者・会津八一が新潟県北蒲原郡中条町西条の丹呉康平所有の同名の持仏堂に在住していたときの作品である。会津先生は同年、東京で罹災し、 西条の丹呉康平宅に疎開、同伴の養女・きい子の病気が悪化し、ほど近い前記観音堂の庫裡に移り、そこできい子の死に遭った。先生はひとりできい子を荼毘に付し、ひきつづきここで自炊生活をつづけた。観音堂に在住の期間は昭和二十年(一九四五)七月三 日から翌二十一年十月二十六日の間である。
きい子の看病と死と、そして孤独の生活ののち、先生は新潟市南浜通りの伊藤辰治氏方の別棟に仮寓し、その死に到るまで、ここに居住した。観音堂の生活は、丹呉康平氏と町びとの好意によって最少限の保障をあたえられはしたものの、重病と死と欠乏と知己からの隔絶によって凄惨をきわめた。この時期の状況は、先生自身の筆によって、日記と諸方への書簡が、精細に伝えている。「会津八一全集」はその多くを収録している。
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