これは傑作クラス。フランス出身として知られる女性ヴォーカリストを中心にした7人編成のゴシックヘヴィプログレバンド、Akinの2011年発となる2作目。リリースは米国のProg Rock Recordsから見開きデジパック装丁でのリリース。編成はベース、ドラムス、キーボード、アクースティックギター、フルート、エスノパーカッション、女性ヴォーカルの布陣に加えてゲスト奏者に弦楽四重奏団まで加わって実際にこれが本作の音楽面での重要ポイントに。内容はもう前作と比較しても予想を超えるような出来の良さで、演奏テクニック、コンポジション、アレンジ、音響エンジニアリングの全てが揃ってスリリングなバランスを保っている印象。このバンドの本来の音楽性という事で言えばプログメタル的演奏法を伴い、湿った情念のメロウネスが表出するかのような、ある意味でベタな短音階スケールを各楽器セクションが手を変え品を変え多彩なアレンジで表現するといったスタイル。特に本作に於いてはアクースティック楽器の配置の妙でプログメタル色はいい塩梅で変化し、まるでメロトロンみたいに響く弦楽四重奏が演奏にインパクトを与え、結果として女性ヴォーカルパートが際立つといった展開で、ほとんどコレ、アニーハズラムのルネッサンス、ジェーンレルフのイリュージョンとかそっち方面とも比較できる短音階シンフォニックロックの21世紀型最前線。AKIN-the way things end(prog rock records)