『北北西に進路を取れ』(ほくほくせいにしんろをとれ、原題:North by Northwest)は、1959年のアメリカ合衆国のスパイスリラー映画。監督はアルフレッド・ヒッチコック、脚本はアーネスト・レーマン、主演はケーリー・グラント。タイトル・シーケンスはソール・バスによるもので、キネティック・タイポグラフィを本格的に使用した最初の作品であるとみなされている[3]。製作会社はメトロ・ゴールドウィン・メイヤー。テクニカラー、ビスタビジョン作品。
原題 North by Northwest について
「North by NorthWest」という方位は現実には存在しない。全周を32方位に分割した時の方位の呼び方[注 1]では、北北西(北からの角度・中間値337.5度)は、North-NorthWest(NNW)である。北西微西(同303.75度)は NorthWest by West(NWbW)、北西微北(同326.25度)は NorthWest by North(NWbN)、北微西(同348.75度)は North by West(NbW)である。
ヒッチコック自身もピーター・ボグダノヴィッチによるインタビューの中で「『三十九夜』のアメリカ版を撮ろうとずっと考えていた。一種のファンタジーだ。タイトルがこの映画の全体を象徴している …コンパスには“north by northwest”などというものは存在しない。自由な抽象芸術に近いことを映画製作でやろうとすると、思うままにファンタジーを用いることになる。それこそ私が扱っている分野だ。私は現実の一面を扱うようなことはしない。」と語っている[4]。
シェイクスピアの『ハムレット』第2幕第2場のハムレットの以下のセリフ、
I am but mad north-north-west: when the wind is southerly, I know a hawk from a handsaw.
食堂車のシーンで、ケンドールが“I never discuss love on an empty stomach”(私は空腹で愛を論じたことがない)と言っているが、もともとのセリフは“I never make love on an empty stomach”(私は空腹でセックスしたことがない)であり、彼女の唇の動きもそうなっている。過激すぎるセリフとして声だけ差し替えられた[13]。