例えば『惑星大戦争』を『スター・ウォーズ』と比較することには意味がないのと同じくらい、『ネズラ』と『ゴジラ』を比較することは無意味だ。私は『ゴジラ FINAL WARS』を絶賛するが、当然ながらこの北村龍平監督作品に産みの苦しみを感じることはない。だが、『ネズラ』や『惑星大戦争』は崖っぷちのチャレンジ精神から生まれた作品だ。製作当時、「映画秘宝」のインタビューに答えた田川監督が「人間を信じない」と語っていたが、主役の米軍兵士を演ずる久保田芳之や、準主役で医師を演ずる新田純一には、人間の底力に対する熱い信頼と期待が込められていたように見えるし、田川監督を始めとして製作現場に集った人々の思いが投影しているように感じられる。もしも『ネズラ』が映画として失敗しているとすれば、それは画面の中で進行する物語よりも、画面の外で立ち働くスタッフの情熱の方が前に出てしまっていることだろう。但し、決してそれは気分の悪いものではない。
(2023年 12月 30日 16時 36分 追加)
(2024年 1月 3日 14時 11分 追加)
俳優の隆大介さんが亡くなりました 今日はネズラを語ります - YouTube
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