チャーチ・オルガンを用いた呪術的、邪悪なサウンドによって、70年代イタリアン・ロックシーンでも独特の存在感を放つバンド、JACULAのリード・ボーカル、またバンドのリーダーAntonio Bartoccettiのパートナーとして知られる、「Fiamma Dallo Spirito」ことDoris Nortonの75年に録音されるも未発表のまま秘匿され続けてきた幻の作品!
イタリアン・プログレの名盤『TARDO PEDE IN MAGIAM VERSUS』でも聞かれた圧の強いボーカルやオープニングの'Initiatio Sagae'から降りかかるミサ調のパイプ・オルガンなどJACULAらしさも随所に残しつつ、ゲストのコーラス隊やジャジーな軽快さも携えたバックバンドなど、JACULAのゴシック・ホラー調というよりも、中世の薫りを漂わせたアヴァンギャルドな側面を持つ演劇調の一作に。他面ピアノ/ハープシコードの伴奏にFiamma Dallo Spiritoの優しい歌声が寄り添う、美しくも妖しい影を落とす'Agonia'や、奔放で挑発的な歌声が聴き手をねじ伏せる攻撃的なサイケ・シャンソンナンバー'Dannazione'まで各曲ごとのカラーも明確に分かれており、作品全体を通して彼女の豊かな表現力と魅力が遺憾なく発揮された傑作です!