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池上太郎左衛門幸豊/近世中期の篤農家で関東に砂糖産業を興した・活動のマルチぶりに目を見張る・人物像を関わった事業や文化面を通し展望
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平成12年 212ｐ 部数は少なそうです。資料用にもいかがでしょうか。
1718‐98(享保3‐寛政10)
近世中期の篤農家で関東に砂糖産業などを興した。名は幸豊のち与楽，太郎左衛門は通称。武蔵国橘樹郡大師河原村名主で，1750年(寛延3)より多摩川河口の州を埋め立てて池上新田その他を開き，名主を兼務した。甘蔗の栽培と砂糖製法をくふう改良して，関東・甲駿・京坂地方にまでひろめ，61年(宝暦11)氷砂糖売買の特許を得た。その他製塩，絞油，養魚など各種の産業を興すことを試みた。著書に《種芸拾穂集》があり和歌もよくした。
出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第２版
あいさつ
日本の近世において十八世紀後半にあたる宝暦・天明期は、社会や経済、また文化といったあらゆる 面で大きな変革期とされています。そのような近世後期の社会にあって、川崎を中心にまさに時代を象 徴するような活動を行っていたのが、池上太郎左衛門幸豊です。
幸豊は先祖伝来の海中の新田開発に従事し池上新田を完成するとともに、殖産興業家として和製砂糖 の製造や普及に尽力し、大きな業績を残しています。また一方、京都の冷泉家に入門し和歌を学び、江 戸における冷泉門下の中心的な役割も担っていました。 このように幸豊の活動のマルチぶりには目を見 張るものがあります。そして幸豊の人間関係も、成嶋信遍や田沼意次ら幕閣の人びとをはじめ、田村元 雄や平賀源内といった博物学者など、彼のマルチぶりと同様にバラエティーに富んでいました。
そこで本展では、幸豊のマルチ人物像を彼の関わった事業や文化面を通して展望するとともに、広く 日本の近世史をも視野に入れ、その実態を探ってみたいと思います。
なお末筆ながら、本展の趣旨をご理解いただき貴重な資料の出品をご快諾くださいました博物館、寺 院、また個人の所蔵者各位に深く感謝申し上げます。また本展に多大なご協力を賜わりました幸豊のご 子孫でいらっしゃいます池上家の皆々様には厚く御礼を申し上げます。
川崎市市民ミュージアム
館長 加藤 有次
お探しの方、お好きな 方いかがでしょうか。
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