この日本においてキャロルこそロックの持つ暴力性や不良性を全く失うことなく、オリジナルの詞曲で最初にメジャーで成功したロックンロールバンドです。まだデビューもしていないアマチュアのキャロルが「リブヤング」ではじめてテレビに出演した伝説の日は、内田裕也を中心として竹田和夫、アランメリル、大口広司、近田春夫という当時最強のメンバーで組んだスーパーバンドのお披露目の日でもあったのですが、キャロルがリハーサルでやった「GOOD OLD ROCK'N ROLL」一発でそれまで「どうせアマチュアバンドだろう」という上から目線で見ていたスーパーバンドのメンバー全員があまりの凄さに完全に打ちのめされてしまい、以降に予定されていたすべての活動をキャンセルして解散してしまったことをメンバーの一人だった近田春夫氏がインタビューで語っていました(これはとんでもなく凄い話です!)。日本語でロックができるか?ロックは日本語か英語か?という議論が真剣にされていた当時の日本ロック界。先端にいた腕達者なミュージシャン達はこぞって日本語のロックを否定していましたが、議論そのものをあざ笑うかのように無にしたのが、先のテレビ出演を視聴して衝撃を受けたミッキーカーティスがすぐに契約に奔走し、そのプロデュースのもと、革ジャンにリーゼント姿で完璧な日本語のロックンロールぶっ放したキャロルのデビューです。その衝撃は日本語ロックを否定していた側の先頭にいて、すでにデビュー前のキャロルに衝撃を受けていた内田裕也氏をさらに打ちのめし、完全に黙らせてしまいました。そして彼らの登場と爆発的セールスはその後の日本のロック界に付随するビジネス等を含めたすべて変えてしまいました。要はロックンロールで巨額の金が動くようになったのです。ロックと暴力、バイクと暴走族などの不良カルチャーを中心として、社会全体に与えたその影響力はあまりにも巨大です。日本のロックは表のキャロルと裏の村八分、まさにコインの表と裏でもあった彼らなしでは絶対に語れません。また当時最新のスタジオ機材を所有していたミッキーカーティスがプロデュースを含め製作全般に深く携わっていたため現在の耳で聴いてもこの当時の日本のロックに必ず感じてしまうある種の音のショボさが全くないことに驚かされます。サイドギターとリードギターの絡みや、厚みがあるふてぶてしくも直線的なだけではなくグルーヴするベースとおかずが少ないタイトなドラムなど各楽器のラウドでシャープな鳴り、ぶっといボーカル、そしてコーラスにまですべてにロックンロールを感じさせるこの音はバンド側からだけでなくミッキーカーチスのプロデュースを含め完全にスタジオ内でマジックが起きていることが実感できる本当に凄い音です。当時京都で国内のもっとも先端的なバンドであった村八分や、同じ時期にオリジナリティーという点では他をまったく寄せ付けなかったサディスティック・ミカ・バンドなどですらなし得なかった圧倒的な成功をエッジのビンビンに立った状態でいともかんたんに手に入れたキャロル。当時これがどれだけ凄かったことか。いくら再評価しても足りません。これがロックンロールです!そしてそんな時代の空気をもっとも体現していたのがクールスでした。キャロルのラストライブにおいてキャロルを会場の日比谷野音までバイクで護衛しながら先導していくそのあまりのカッコよさは、まさにロックンロールそのもので、ある意味キャロル以上のインパクトを見るものに与えました。キャロルの登場で爆発したロックと暴力、バイクと暴走族などの不良カルチャーはほんものの暴走族の中からでてきた彼らの登場で決定的になったと言えるでしょう。しかしその登場があまりにも強烈だったため音楽的な評価がまったく追い付いてないのが現実です。しかし、このバンドには泣く子も黙るジェームス藤木がいます。あの近田春夫や山下達郎、クレイジーケンバンドの横山剣、バクチクの今井寿、藤井フミヤなどがその才能を愛し絶賛するロックンロールの天才が作る曲は、日本人には絶対作ることのできないようなロックンロールの本質を見事に、しかも至って自然に表現しています。先入観をすててこのセットの「ザ・クール」や山下達郎氏がプロデュースした「NEW YORK CITY N.Y.」を改めて聴いてください。独特の7thの使い方など一度はまってしまうと抜け出せなくなくなるようなその本質的な凄さがわかると思います。これはヤバいです。ジャケや帯やインナー等のデザインや色彩、写真などもロックンロール特有の色気をビンビンに感じさせてくれます。
キャロル「ルイジアンナ」ジャケ:背うす小やけ、見開き内側にうす小しみ。盤:うすすれうすきず。「ファンキーモンキーベイビー」ジャケ;背うす小やけ。「グッドバイキャロル」シュリンク付の美品ですがインナーなし。「アーリーキャロル」ジャケ:小しみ。クールルス「ザ・クール」ポスター付。「NEW YORK CITY N.Y.」カラー写真集付。その他のタイトルのジャケ、帯、盤、解説等は上記総括説明範囲以内、ALL極美~ほぼ美品~並品です。それ以外は質問してください(仕事の関係で時間が取れず質問にはほとんど回答できません)