アンティーク イカット 王妃の肩掛け ウロス 20世紀初頭 インドネシア スマトラ島 バタック族 検 バティック 古布 布 更紗
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アンティーク イカット 王妃の肩掛け ウロス 20世紀初頭 インドネシア スマトラ島 バタック族 検 バティック 古布 布 更紗
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これは、インドネシアスマトラ島バタック族の「ウロス」という布で，20世紀初頭の古布であることを保証します。大きさは約224×114㎝、用途は肩掛けです。天然染料100％，今は手間がかかるため行われなくなった手紡ぎ糸、それも非常に繊細に紡いだ糸を使って織られています。現在ではもう一本一本をこのように細く紡ぎ出す技術は廃れてしまってありません。中央の経縞部分と左右両端部分が縫い合わされ、3枚から構成されている布です。
このウロスについては、インドネシアの染織の逸品を掲載している46年前の専門書「インドネシア染織体系」に、「バタック・トバ族の王妃の肩掛け」として同手の布（9枚目画像）が掲載されています。本文及び巻末の説明（10枚目画像）と併せて、ご覧ください。同じ年代でも書籍の濃い茶のものより、出品の赤い色の方が数少ないものです。
この布が特別である点は、まず上下の白いパネル部分は、後から縫い付けた掛け継ぎではなく、経糸を変えながら中央部分の続きで織られている点です。近年、観光客向けに売るために織られたこのタイプの布には、後からパネル部分を取り付けたのも見られますが、これは全てオリジナルです。上記の専門書には、「技術的に特殊なもの」で、「今日では、ほとんど織られておらず技法は詳らかではない」と書かれています。今とは違って、まだ物が豊富にあった1978年当時でさえ、そうですから希少な布だと分かります。両端の白いパネル部分の浮織は、実に複雑（2枚目画像）で目が痛くなるほどです。しかも、3、4枚目画像でご確認いただけるように、手前側と反対側で微妙に文様を変えています。同じ部分の表側と裏側を比較しても、文様が反転（5枚目画像）していることが確認できます。
更に、6枚目画像に見られる中央部分の経縞は微妙に色を変えながら織り込まれ、その左右両端部分には昼夜織の技法を用いて、繊細な幾何学文様が織り込まれています。7枚目画像のように拡大すると、その精緻さと美しさが分かります。このように、目立たないように高い技術が使われており、まさに王妃の肩掛けに相応しい布だと思います。
最後に状態です。大きな傷みはありませんが、中央部分に鍵型の補修が2ヶ所（8枚目画像黄色囲み部分）と小穴が一ヶ所（8枚目画像青い囲み部分）があります。その他、汚れやほつれ等もありますので、古布にご理解のある方のみ、ご入札をお願いいたします。
整理していてたまたま出てきたので出品できる布です。今では図録等でしか見られない布ですので、希少さを考えると大変リーズナブルかと思います。お好きな方がいらっしゃいましたら、よろしくお願いいたします。
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