まずはディスク1のバイロン・ベイ・ブルース・フェストでのステージ。17日から21日まで5日連続で行われたフェスの3日目、土曜日のステージに登場したジェフは、野外の大観衆の前で、日本公演で見せてくれた熱いプレイを聴かせてくれます。フェスゆえ、80分と、本ステージに比べ若干短めのコンパクトなステージですが、非常に内容の濃い見事なライヴを聴かせてくれます。野外ゆえか、Angel (Footsteps)、Goodbye Pork Pie Hat~ Brush With The Blues、Choralと言ったメロウチューンを外し、グルーブの効いたナンバーを並べています。(やはりPump, Blue Windはセット落ちのまま)こういう状況ですと、ベックのドラマチックなプレイはもちろんですが、You Know You Knowのロンダの強烈なベースソロで大受けしている様子が聴けます。Little Wing、Danny Boy、A Day In The Life と言ったカバーは、一般のファンも多数集結しているフェスでは非常に効果的な様子です。アンコールはCause We've Ended As Loversではなく、ジョス・ストーンがゲスト参加し強烈なボーカルを聴かせるI Put A Spell On You。迫力満点の感動的演奏でライヴを締めます。音質ですが、適度な距離感を感じさせるものの、クリアーで優れた録音であり、今回のセットではテーパーが違うせいか、最も優秀なテイクです。聴きやすいサウンドです。
続いてのディスク2~5は、21日と22日と連日公演で行われたシドニーとメルボルン公演。セットは、両公演ともに、日本ツアー後半のものから、Goodbye Pork Pie Hat~ Brush With The Bluesを外し、代わりにA Change Is Gonna Comeが入り、そこではジョン・ハートがボーカルで、ハートのバンドのギターのジョン・ニコラスがゲスト参加しています。ジョン・ハートはアンコールのGoing Downでも再度登場しますが、ソウルフルな見事な歌声は素晴らしく、ショウの中での見事な聞かせどころを演出しています。両公演とも録音者は同じでシドニーは最前列、メルボルンは5列目での録音とのこと。シドニーは音が近すぎたのか、ピークゾーンでやや歪みがありますが、普通に聴けるレベルですのでご安心ください。ショウもプレイも実に素晴らしいですが、珍しいところではStratusの後半4:14でジェフが構成を間違い、以降は、メロメロになってしまう様子を聴くことが出来ます。メルボルンは適正な音バランスで録音されていますがYou Never Knowの頭欠けと言う失点が残念。