説明不要の大名盤、英Deccaの初期ステレオ期の優秀録音盤から、ボロディンQtによるボロディンの弦楽四重奏曲第2番とショスタコーヴィッチの弦楽四重奏曲第8番です。ライナーノートも担当したErik Smithのプロデュース、Jack Cleggのエンジニアリングによる初期英Decca室内楽の最高レベルの優秀録音とされる音源です。ボロディンQtの初期ステレオ盤は米Mercuryのよるショスタコーヴィチの第4番&第8番も有名ですが、それに勝とも劣らない録音です。こちらには旋律の美しいボロディンの弦楽四重奏第2番が収められているのも特徴です。今回、ご紹介するのは廉価規格のSDD盤ながら、初期のFull-Frequency Range Recording(FFRR)表記のある溝付ラベル盤です。この時期のFFRR表記溝付ラベル盤は、当時の英Deccaのエンジニアによれば、同じプレスマシンで午前中は通常規格のSXLを、午後にはラベルだけを変更し、同じスタンパーを用いてSDD盤をプレスしていたとされています。そのため、Mattixはもちろん、オリジナルと同じもの(本盤では1E/1E)が用いられており、オリジナルSXLと同等のサウンドが得られると考えられています。とりわけ本盤はボロディンQtの素晴らし演奏をクレッグの超優秀録音にて捉えているため、屈指の室内楽盤として有名です。
媒体:LP(12インチ)LPレコード