[送料無料]　河川・のりめん工法にみる　工学的生物学の実践　高橋裕監訳　彰国社　古本

汚れなく良好です。

著者序文(第2版)

近年、環境に対する意識は極めて強くなり、 地球上の生物と非生物とは相互に 依存していることが強く認識されるに至った。建設工法は、それが自然に近いた けでは不十分であり、生態学的、つまり環境およびその生態系に包括的に調和し ていなければならない。第2版ではこうした環境に対する意識変化を考慮すべき と考えた。

新たに加えた章は、水の流れの生態学、つまり水の運動と生物に与える影響, および土構造物における生態学(例えば新たに出現した切土や盛土の方向と傾斜) である。所有権、地上権,水利権、景観権および関連する規準や指針の変更につ いても考慮に入れた。

樹種や植栽方法の選択について、自然植生に配慮するだけではもはや不十分で、 その採否に当たって生物技術的な適性や効率が重要となるほか、それぞれの地域 に応じた植物社会の共棲が今日ではより大きな意義を持つに至った。そのために Ruediger Filger の植物社会学の章を加えた。

近年、化学繊維のジオテキスタイルのように、腐らない人工材料は、使い方次 第では役立たないことがあることも明らかになった。補助材料としてのヤシ繊維 や麻のジオテキスタイルは以前同様自然の下で利用されている。第1版での人工 的ジオテキスタイルに関する記述の一部は削除した。

今日、より重要なのは地域開発者,生物技術者,土工技術者、水工技術者によ る個々の計画の統合であり「総合化された土地改良」を伴わない地域計画はもは や存在しない。

ヨーロッパ、アメリカ、オーストラリア、日本において、工学的生物学に関す る新しい問題領域が取り上げられている。ウイーン農芸大学では初めての工学的 生物学講座が、ウイーン工科大学では構造水工研究室に地域水工部門が設立され た。第2版は、こうした工学的生物学に対する大きな関心に対応させるものであ る。


W.ベゲマン

H.M. シュヒトル